長期金利が2%に上昇しても、株価押し下げ要因にはならない

 ところで、ゆっくりとしたペースとはいえ、利上げに伴って長期金利が2%程度まで上がるとなれば、気になるのは株価の反応です。そこで、長期金利と日経平均株価を改めて比較してみました(図表6)。

<図表6 日本の10年金利と日経平均株価>

(出所)Bloomberg、楽天証券経済研究所作成

 図表6を見ると、異次元緩和の期間は、長期金利が意図的に押し下げられたこともあって、長期金利が下がり、日経平均が上昇しているように見えますが、他の期間ではおおむね長期金利と日経平均株価が同方向に動いていることが分かります。

 事実、1990年から異次元緩和が始まる前までの期間をとり、長期金利と日経平均株価の相関係数を計算してみると+0.84という高い値となり、長期金利の上昇が株価下落要因でないことが統計的にも確認できます。

 というより、当たり前のことですが、景気・物価情勢の改善を背景に長期金利が上昇しているときは、当然株価も上昇しているというのが、ごく普通の市場の姿であり、植田日銀による普通の金融政策の下で、そうした普通の市場が戻ってくると考えています。