今日の為替ウォーキング

今日の一言

真のチャンピオンというのは、負けた後にその価値が判るものだ

Highway Star

 インフレによる不平等感は、所得格差が大きいほど強く感じる。食費が2倍に値上がりしようが富裕層には些細な事だろうが、一般家庭にとっては深刻な問題だ。しかし、問題はそれだけではない。インフレによる不平等は、所得の不平等を深刻化させるのだ。

 多くの食品や日用品が値上がりするなかで、多くの消費者はナショナルブランド商品よりも比較的安価なプライベートブランド商品に切り替えたり、普通サイズよりも単価が安い大容量サイズを購入したりして生活費を抑える工夫をしている。

 しかし、所得の低い家庭は初期費用を持っていない。1キロの米を買うお金がないからコンビニのおにぎりを買う。安いものを買えば割高になるとわかっていても生活の全てにおいて選択肢がなく、単価が高い商品を我慢して買うしかない。インフレは、高所得者よりも低所得者により厳しく、貧富の差をさらに拡大させる。貧しいほど高い買い物をしているからだ。インフレの邪悪さの本質はここにある。

 政府や日銀はその事実から目を逸らし、インフレを煽ってきた。FRBやECB(欧州中央銀行)などの中央銀行が、インフレ以上に懸念しているのは、インフレの「2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト)」だ。2次的効果とは、石油製品や食料の価格上昇など、足元のインフレが人々の持つインフレ率の期待値を上昇させることにより、インフレがさらに上昇することだ。日銀は、日本にインフレの2次効果が爆発的に発生するまで、ゼロ金利政策を維持したいと考えているようだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成