今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは153.50

 ↓下値メドは152.70 

中国経済:中国のトップヘッジファンド、中国景気回復にかけて大損。株式資産を大幅に縮小
日本の賃金:90年以降で最低水準。23年の実質賃金はマイナス2.5%、2年連続減少 
米利下げ:クリーブランド連銀総裁「利下げは年後半」
豪ドル:RBA(豪準備銀行)追加利上げに慎重、最初の利下げは11月か  
カナダ経済:BoCマックレム総裁「インフレ2%へ到達には時間かかる」 

前日の市況

 4月11日(木曜)のドル/円相場は前日比0.10円の「円安」。

 2024年74営業日目のドル/円は、152.94円からスタートしたあと、東京時間昼前に152.75円まで下落してこの日の安値をつけた。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ時期後退の公算が大きくなるなかで、日米金利差を活用したキャリートレードの円売り需要は強く、夕方に153円台にのせると未明には153.32円まで上昇して34年ぶりの高値(円の安値)を更新した。終値は153.26円。24時間のレンジ幅は0.57円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「利下げを確信するレベルに達していない」との見方を示している。米国経済が弱くなったというデータが出てくるまでは利下げはないということだ。

 4月に入って発表された経済データでは、米雇用統計は非農業部門雇用者(NFP)が 30.3万人と大幅に増えた。平均時給も下げ止まった。CPI(消費者物価指数)は前年比で3.5%上昇した。前月の3.2%から上昇が加速して、昨年9月以来の大幅な伸びとなり、インフレ率が目標値に向かって低下している証拠は見つけることはできなかった。

 パウエルFRB議長は、最近のインフレデータが強いことを認めながらも、政策の方向を変更する考えはないとの考えを示している。FRBの政策は、時期のずれはあるが利下げ方向だということだ。

 しかし、雇用市場が強いままでインフレが3%台に下げ止まり、米国の景気が減速する(ソフトランディング)もせずにノーランディングのまま再加速するならば、FRBが利下げを正当化することはできない。最近マーケットでは、「年内利下げなし」からさらに「再利上げ」の予想まで出てきている。

主要指標 終値

主要指標終値

今日の為替ウォーキング

今日の一言

真のチャンピオンというのは、負けた後にその価値が判るものだ

Highway Star

 インフレによる不平等感は、所得格差が大きいほど強く感じる。食費が2倍に値上がりしようが富裕層には些細な事だろうが、一般家庭にとっては深刻な問題だ。しかし、問題はそれだけではない。インフレによる不平等は、所得の不平等を深刻化させるのだ。

 多くの食品や日用品が値上がりするなかで、多くの消費者はナショナルブランド商品よりも比較的安価なプライベートブランド商品に切り替えたり、普通サイズよりも単価が安い大容量サイズを購入したりして生活費を抑える工夫をしている。

 しかし、所得の低い家庭は初期費用を持っていない。1キロの米を買うお金がないからコンビニのおにぎりを買う。安いものを買えば割高になるとわかっていても生活の全てにおいて選択肢がなく、単価が高い商品を我慢して買うしかない。インフレは、高所得者よりも低所得者により厳しく、貧富の差をさらに拡大させる。貧しいほど高い買い物をしているからだ。インフレの邪悪さの本質はここにある。

 政府や日銀はその事実から目を逸らし、インフレを煽ってきた。FRBやECB(欧州中央銀行)などの中央銀行が、インフレ以上に懸念しているのは、インフレの「2次的効果(セカンド・ラウンド・エフェクト)」だ。2次的効果とは、石油製品や食料の価格上昇など、足元のインフレが人々の持つインフレ率の期待値を上昇させることにより、インフレがさらに上昇することだ。日銀は、日本にインフレの2次効果が爆発的に発生するまで、ゼロ金利政策を維持したいと考えているようだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析

出所:楽天証券作成
出所:楽天証券作成