2024年1-3月期に5%の小幅増収見通し、成長戦略の着実な履行に期待

現地コード 銘柄名
00700

騰訊控股

(テンセント)

株価 情報種類

300.80HKD
(4/17現在)

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 中国の有力ネット企業、テンセントは5月14日に2024年1-3月期決算を発表する予定だが、BOCIは同期の売上高について、前年同期比5%の緩やかな伸びを見込む。前年同期実績が高いオンラインゲームの鈍化とストリーミング事業の縮小を受け、VAS(付加価値サービス)部門の収入が3%減少する半面、オンライン広告収入とフィンテック収入がそれぞれ18%、12%増加するとの見方。また、今後は全ての主要事業部門で競争優位を確立し、質の高い成長戦略を実行することが、財務面の確実性につながるとしている。ゲーム事業の回復やストリーミング事業の調整によるマイナス影響の解消、広告の堅調、フィンテックの成長により、4-6月期以降は年内、売上伸び率が加速すると予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国経済の不確実性と市場競争の激化という逆風下で、同社は今後、SNS、ゲーム、広告、フィンテックという各事業の質の高い成長戦略を、辛抱強く確実に実行する見込み。ストリーミング配信の縮小やベース効果によるゲーム事業への影響は4-6月期以降、段階的に消えるとみる。うちゲーム事業は旗艦タイトルの堅調や、国内の中堅ゲームに対するアウトパフォーム、新作のリリース、傘下のゲーム開発会社スーパーセルの貢献を背景に、4-6月期から10-12月期にかけて、売上高の伸びが加速するとの見方。一方の広告業務に関しては、動画アカウントのマネタイズ(収益事業化)に加え、AIの活用や各種広告商品の投入を受けた商品化力の向上と効率化がプラスに働くとしている。

 BOCIは2024-26年のゲーム収入見通しを据え置き、オンライン広告収入を小幅ながら1%上方修正。SNSとフィンテックに関しては収入予想を1-2%減額した。また、成長戦略の履行を見込み、この3年間の粗利益率と純利益に関する予想をほぼ現行水準に据え置いている。

 2024年1-3月期決算に関するBOCIの予想は、売上高が前年同期比5%増の増の1,570億元。粗利益率と純利益率(調整後)は市場予想の水準の49.7%、27.3%に達すると予想。調整後純利益に関しては、前年同期比32%増の430億元を見込む。

 BOCIはSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を維持し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。ゲーム、広告、フィンテック・企業向けサービスの各事業部門にそれぞれ2024年予想PER(株価収益率)15倍、16倍、15倍をあてはめ、クラウドに関しては予想PSR(株価売上高倍率)5倍を適用。さらに子会社や投資対象に関する最新評価を加える形で目標株価を算出した。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、各事業分野や個人情報、税制に関する規制リスクのほか、市場競争の激化、マクロ経済の予想以上の低迷、投資の失敗、主要株主による持ち株売却の加速などの可能性を挙げている。