勝負師・ようこりんの見極め術

──ようこりんさんというと、優待銘柄でコツコツ稼いでいるイメージだったのですが、「勝負師」の顔も持っているんですね。

ようこりん 勝負師といえるかどうかはわかりませんが、何年かに一度、大勝負を行うのは事実です。

──トヨタの大勝負以外にもあるのですか。

ようこりん チャイナ・ショック後の2017年1月に電子機器メーカーのミネベアが、ミツミ電機という会社を買収したんです。それで今は、ミネベアミツミ(6479)という社名になっています。

 このとき、ミネベアの株価が急落、ミツミ電機は赤字企業だったから、負債を増やすだけと見られたからです。でも、調べてみたら、ミネベア本体の業績は素晴らしく、このまま下がり続けるわけがない、遠からず回復に向かうと思い、一気に1万5,000株を購入しました。

──底を打ったという確信があったのですか。

ようこりん いえ、確信というものはなくて。投資仲間にもいくらなんでも無謀じゃないかと言われましたし。買ったはいいけれど、下げが止まるんだろうかと、本当のところは気が気でなりませんでした。

──とはいえ、自信がないと買えないですよね。

ようこりん 一つ言えるとしたら、トヨタ自動車のとき、1株2,500円台で買ったと言いましたが、その数年前に株価が下落したとき、2,500円で下げ止まったので、今回もそのあたりで下げ止まると思って買って、予想が的中しました。

 それで、ミネベアのときも過去のチャートを確認したんです。そうしたら、過去に下がったときの最安値に近づいていたので、このあたりが底だろうと。

──ちゃんと根拠があったのですね。

ようこりん まあ一応。だからって予想通りにいくとは限らないので、ヒヤヒヤものでしたけど(笑)。

──でも、自分を信じて突き進めるのはすごいですよね。相当な胆力がないとできません。

ようこりん そこはリーマン・ショックの経験が大きかったと思います。あの経験があるから、ちょっとや、そっとでは動じなくなったというか。

──それにやっぱり勝負師なんですね。

ようこりん 私、父を早くに亡くしているのですが、父は麻雀などの勝負ごとがめちゃくちゃ強かったらしいんです。株投資もやっていて、もうけたお金で雀荘を始めたとか聞いています。いいのか悪いのかわかりませんが、多少は父の血を受け継いでいるのかもしれません(笑)。

──お母さまも?

ようこりん いえ、母は父とは正反対で、堅実な商売人でした。投資はやらないのに商売の助けになるからって、日中はラジオで株式情報を流していたらしいのです。そんな地道にコツコツ続けることをいとわないタイプ。

 やはりずいぶん前に亡くなっていますが、私のコツコツ優待投資は、父だけでなく、母の血も流れているからなのでしょう。

中編へ続く
後編・ベテラン優待投資家が厳選!投資初心者にもおすすめ10選!へ